「家派」女性の虚弱化予防~60代女性の「健康行動の始動・継続」に関する調査研究から

2016年10月20日

(前田 展弘) 高齢化問題(全般)

■要旨

女性は長生きできる可能性が高いと同時に要介護状態になるリスクも高い。長生きをすれば、いつかは要介護の状態になることは避けられないことではあるが、できるだけ自立した生活期間を延ばしていきたいものである。そのためには要介護状態に至る過程にある「虚弱化(フレイル)」をできるだけ若い段階から予防していくことが必要である。虚弱化を予防するには、身体を鍛える、つまり"運動"すること(運動習慣を身につけること)が必要になるが、運動を続けることは、できる人とできない人とに分かれやすい。とかく女性は"運動は苦手、嫌い"と思われている人が多いように想像する。本稿では、そうした女性に「どうすれば運動を始めてもらえるようになるか、続けてもらえるか」、その解を追究すべく行った「高齢者の健康行動の始動・継続に関する研究」の概要と結果を紹介する。

■目次

1――はじめに~女性のより豊かな長寿の実現のために
2――「高齢者の健康行動の始動・継続に関する研究」の概要
  1|本調査研究の目的と特徴
  2|本調査研究の設計と検証ポイント
3――「高齢者の健康行動の始動・継続に関する研究」の結果
  1|60代女性の「家派」「外派」の出現状況(スクリーニング段階からの知見)
  2|「完全家派」と「完全外派」の人の特徴
  3|運動の始動・継続ドライバの策定と「家派」「外派」の選好度
4――考察~"80歳になってもさっそうと歩ける"自分づくりに向けて(社会の取組視点)

生活研究部   上席研究員・ジェロントロジー推進室兼任

前田 展弘(まえだ のぶひろ)

研究領域:ジェロントロジー(高齢社会総合研究)

研究・専門分野
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)、超高齢社会・市場、QOL(Quality of Life)、ライフデザイン

経歴

2004年     :ニッセイ基礎研究所入社

2006~2008年度 :東京大学ジェロントロジー寄付研究部門 協力研究員

2009年度~   :東京大学高齢社会総合研究機構 客員研究員
(2022年度~  :東京大学未来ビジョン研究センター・客員研究員)

2021年度~   :慶応義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター・訪問研究員

内閣官房「一億総活躍社会(意見交換会)」招聘(2015年度)

財務省財務総合政策研究所「高齢社会における選択と集中に関する研究会」委員(2013年度)、「企業の投資戦略に関する研究会」招聘(2016年度)

東京都「東京のグランドデザイン検討委員会」招聘(2015年度)

神奈川県「かながわ人生100歳時代ネットワーク/生涯現役マルチライフ推進プロジェクト」代表(2017年度~)

生協総研「2050研究会(2050年未来社会構想)」委員(2013-14、16-18年度)

全労済協会「2025年の生活保障と日本社会の構想研究会」委員(2014-15年度)

一般社団法人未来社会共創センター 理事(全体事業統括担当、2020年度~)

一般社団法人定年後研究所 理事(2018-19年度)

【資格】 高齢社会エキスパート(総合)※特別認定者、MBA 他

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)