次回2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市である東京都は、早くから文化プログラムの実施を睨んで準備を進めてきた。その一環としてリオで開催されたのが、CULTURE & TOKYO in RIO 及び TOHOKU & TOKYO in RIOで、図表3に示した3つの文化事業が実施された9。中でも「TURN(ターン)」は今後の展開に大きな可能性を感じさせるものだった。
TURNは、異なる背景や習慣を持った人々が関わり合い、様々な「個」の出会いと表現を生み出すアートプロジェクトで、監修者の日比野克彦によって名付けられたものだ。これまで、野田秀樹の東京キャラバンとともに、東京2020大会の文化プログラムのリーディングプロジェクトとして実施されてきたが、TURN in BRAZILでは、4名のアーティストたちが日本やブラジルの伝統文化をモチーフに活動を展開した。まず、東京や宮城県南三陸町で研修を行った後、サンパウロの福祉施設、障がい者施設で1ヶ月以上にわたり交流プログラムを実施。リオではその成果を展示するとともに、来場者を対象にしたワークショップが実施された。