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コラム
人間の直感の不確実性-数学的な正しさと乖離している場合があることを知っていますか-
2016年09月06日
(中村 亮一)
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具体例
因みに、小中学校のクラス(学級)を想定した場合の人数で、誕生日が一致する確率を見てみると、以下の通りとなる。昔で言えば、40人や50人のクラスも多かったと思うが、この場合には、クラスで同じ誕生日の人が一組はいる確率が9割程度あった。今や平均人数は30人を切っており、20人のクラスではその確率は40%程度になってしまう。
2つのサイコロの目
もう一つ、人間の直感と数学的な正しさが異なってくる簡単な例を紹介する。
サイコロの6つの面に、○が3つ、△が2つ、×が1つ描かれているとする。このサイコロを2つ用意して、同時に転がしたときに、どの2つの印の組み合わせが最も高い確率で現われるのか、という問題である。
直感的には、多くの人が、○の面が一番多いのだから、「○と○」という組み合わせが最も高い確率で現われるのではないか、と考えると思われる。ところが、この直感は間違っている。
非常に簡単なことだが、6×6の全ての36通りの組み合わせを書き出してみると、以下の通りとなる。よって、「○と△」という組み合わせが12通りあって、確率が最も高いことがわかる。「○と○」の組み合わせは9通りとなっている。
もちろん、これは算式でも簡単に示すことができる。「○と○」となる確率は1/4(=3/6×3/6)であり、「○と△」となる確率は1/3(=3/6×2/6+2/6×3/6)となる。
直感力を養うことの重要性
このように、人間の直感は、結構当てにならないことがわかる。
物事を進めていく上で、過去の経験等に基づいた直感を働かせることはもちろん重要なことであるが、時として、その直感が誤ったものとなっていることがある。
こうした直感は、経験を積むことを通じて、感度を高め、磨きをかけていくことが可能だと思われる。その意味では、いろいろなケースを学ぶことを通じて、知識を充実させていくことが、いざという時に役立つ、適切な直感力を発揮する上でも、重要なことであると、改めて感じさせられる。
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中村 亮一
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