IAIS(保険監督者国際機構)が、2016年7月19日に、保険会社に対する国際的な資本規制であるICS(Insurance Capital Standard:保険資本基準)に関する市中協議文書(2016 Insurance Capital Standard Public Consultation Document、以下「2016 ICS CD」という)を公表した。
IAIS(保険監督者国際機構)が、2016年7月19日に、保険会社に対する国際的な資本規制であるICS(Insurance Capital Standard:保険資本基準)に関する市中協議文書(2016 Insurance Capital Standard Public Consultation Document、以下「2016 ICS CD」という)を公表した。
1|ICSとは
ICSは、IAIGs(Internationally Active Insurance Groups:国際的に活動する保険グループ)に適用されるグループベースの連結保険資本基準である2。IAIGsには、これからの指定基準の制定にもよるが、グローバルに保険活動を展開している50社から70社程度が該当し、これらの会社で世界の保険料シェアの5割以上を占めることが想定されている3。
Version 1.0では、2つの評価方式アプローチとICS資本要件を算出する標準手法に基づいて、機密ベースの報告目的のICSを作成している。ICS Version 1.0の完成後、内部モデル(完全又は部分)の使用、外部モデル、標準手法のバリエーションを含む、他のICS資本要件の算出方法を検討する計画となっている。
(2) ICSのVersion 2.0
一方で、2019年において(コムフレームと一緒での)採択が計画されている「ICS Version 2.0」については、監督当局による実施に適合するICSを作成する。
ICS Version 2.0は、1) (最終目標で思い描かれているレベルではないが)ICS Version 1.0に比べて向上した比較可能性を有し、2) 未だ2つのアプローチが並存するかもしれないが、評価における差異を縮小することを熱望し、3) 標準的手法と内部モデル(完全又は部分)の使用、外部モデル、標準手法のバリエーションを含む、他のICS資本要件の算出方法の両方を認めているかもしれない、としている。