【ASEAN経済】ASEAN6の製造業生産(5月号)~6カ国の3極構造に変化なし

2016年05月12日

(斉藤 誠) アジア経済

マレーシアの16年3月の鉱工業生産指数は前年同月比2.8%増の135.6ポイントと、3ヵ月ぶりに低下した(図表4)。業種別に見ると、全体の7割弱を占める製造業が同4.5%増(前月:同4.5%増)で横ばいとなったものの、全体の3割弱を占める鉱業が同2.5減(前月:同1.1%増)、電力が同7.7%増(前月:同10.5%増)とそれぞれ低下した。鉱業の持ち直しが遅れるなか、製造業は昨年に進んだ通貨安によって輸出競争力が向上しており、底堅い伸びを維持している。
製造業の内訳を見ると、全23業種中22業種が前年同月比で上昇、1業種が低下した。主力のコンピュータ・電子・光学製品が同5.9%増(前月:5.8%増)と石油製品が同2.3%増(前月:2.0%増)と概ね横ばいの推移となった。また食品が同6.8%増(前月:5.4%増)、化学製品が同4.3%増(前月:同5.4%増)と上昇した一方、自動車は同3.6%減(前月:0.6%減)とマイナス幅が拡大した。

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠(さいとう まこと)

研究領域:経済

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴

【職歴】
 2008年 日本生命保険相互会社入社
 2012年 ニッセイ基礎研究所へ
 2014年 アジア新興国の経済調査を担当
 2018年8月より現職

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