経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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2―女性、高齢者の労働参加拡大による潜在成長率への影響
2014年時点の男女別・年齢階級別の労働力率が今後変わらないと仮定すると、高齢化の進展によって労働力率が相対的に低い高齢者の割合が高まるため、全体の労働力率は低下し続ける。男女別・年齢階級別の労働力率が2014年実績で一定とし、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計を用いて全体の労働力率を試算すると、2025年には56.5%となり2014年の59.4%から3ポイント程度低下する。すでに減少している15歳以上人口は今後減少ペースが加速するため、15歳以上人口に労働力率をかけあわせた労働力人口は2025年には6071万人となり、2014年よりも516万人減少する(年平均で▲0.7%の減少)。一方、高齢者、女性の労働力率上昇を見込んだ中期経済見通しのケースでは2025年の労働力率は59.1%となり、現在とほぼ変わらない。この場合でも15歳以上人口が大きく減少するため2025年の労働力人口は6352万人と2014年よりも235万人減少する(年平均で▲0.3%の減少)が、現状維持ケースと比べれば減少幅、減少ペースは大きく緩和される(図表3)。人口減少下では一人当たりGDPのほうがより重要だ。国全体のGDPが減少したとしても、一人当たりGDPが増加すれば国民一人ひとりの豊かさは保たれると考えられるからである。その意味では、労働力人口そのものよりも労働力率のほうがより重要といえるだろう。
3―需要面からみた影響
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員