経済研究部 主席エコノミスト
上野 剛志(うえの つよし)
研究領域:金融・為替
研究・専門分野
金融・為替、日本経済
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■要旨
1月15日、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(以下、「SNB」)はスイスフラン(以下「フラン」)の対ユーロ為替レートについて設定してきた1ユーロ=1.2フランという上限を撤廃した。SNBは2011年5月以降の急激なフラン高ユーロ安がスイス経済への深刻な脅威となり、デフレリスクが高まったことへの対応として、同年9月に上限を設定、フラン売りユーロ買いの「無制限介入」を通じてこのラインを死守する政策を3年余り継続していたが、突然の政策変更となった。
この発表を受けて市場では大量のフラン買いユーロ売りが発生し、フランは一時1ユーロ=0.86フランまで約4割も高騰した。
筆者はSNBが無制限介入策を開始して以降、その特異な政策に注目してきたが 、このタイミングでの終了は予想外であった。SNBが無制限介入策終了に至った経緯とその影響、そして残された教訓についてまとめた。
1―上限撤廃に至った経緯
2―無制限介入策終了の影響
3―無制限介入策の残した教訓
経済研究部 主席エコノミスト
研究領域:金融・為替
研究・専門分野
金融・為替、日本経済
・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)