2014年公的年金財政検証結果を見渡す-“甘い”ばかりではない政府の見通し。女性の労働参加やリスクシナリオを見据えて議論の充実を

2014年06月30日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

6月3日に公的年金の財政見通しが5年ぶりに発表された。一部では"甘い"という批判も見られるが、公表された試算結果を見渡すと、"甘い"ケースばかりではないのが分かる。根本的な課題である女性の就労促進や少子化対策に注力するとともに、リスクシナリオを見据えて年金改革の議論を進める必要がある。政府は財政見通しと同時に改革の選択肢を示しているが、その数は少なく、他の案も検討するなど議論の充実が求められる。

※2014-06-30に初版を掲載しましたが、2014-07-04に一部内容を変更しました。

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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