海外年金基金レポート 第6回=望ましい組織体制とは(全体編)=

2013年12月17日

(前田 俊之)

■要旨

10月の保険・年金フォーカスでは、海外の年金基金レポートを5回連続でお届けしました。このレポートの目的は「公的・準公的年金の運用・リスク管理等の高度化に関する有識者会議」(以下、有識者会議)で運用の効率化等の議論が行われるにあたり、海外の有力な年金基金ではどんな取り組みが行われているのか調べてみようというものでした。その後11月下旬になり、有識者会議の報告書が公表されました。その中では、国内債券を中心としたポートフォリオの見直しやガバナンス体制の在り方等、数多くの提言が行われています。そこで今月のレポートでは、有識者会議が報告書で行っている提言の中から組織に関するテーマをいくつか選び、そのテーマについて海外の年金基金ではどのようになっているか紹介したいと思います。まず、第1回となる今回は海外の年金基金における意思決定プロセスを取り上げます。

有識者会議はその提言の中で、規模の大きな資金を運用する組織について「監督機能と業務執行機能を分離することが望ましい」と述べています。ただ我が国における慣行を考慮して、別の形も検討の余地があるともしています。我が国の慣行は海外とどのように違うのか、具体的に海外の事例を10月のレポートと同じ順番で追って見ることにします。

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