9月ECB政策理事会:経済見通し上方修正も政策金利の下方バイアスは維持

2013年09月06日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)は、5日の9月政策理事会で7月に導入したフォワード・ガイダンスを確認し、政策金利を据え置いた。スタッフ経済見通しは僅かに上方修正されたが、緩やかなペースでの景気回復とインフレ圧力の抑制という見通しに変わりはなく、見通しのリスクも「下方」で据え置いた。

ECBのガイダンスにも関わらず、金利は上振れやすくなっていることから、ドラギ総裁は景気に対する慎重な判断を強調して、市場の過剰な反応を牽制した。過剰流動性の水準も「適正」とし、「必要に応じて行動する用意」があることも強調した。

ECBは2015年まで超低金利政策を継続する見通しである。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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