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6月調査短観~大企業・製造業の景況感は2年ぶりにマイナス脱却、設備投資もプラスへ
2010年07月01日
(矢嶋 康次)
(上野 剛志)
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6月短観の大企業・製造業業況判断D.I.は1と前回調査から15ポイントの改善、08年6月調査以来のプラスとなった。足元は予想以上に堅調な回復と言える。非製造業、中小企業の改善幅も前回を上回り、輸出を起点とした景況感の改善が幅広く波及してきている。一方、先行きについては、世界経済の先行き不安や政策効果剥落等から、慎重になっている企業の姿がうかがわれる。
注目ポイントの2010年度の設備投資計画は、全規模・全産業で対前年0.5%増と、前回(▲3.9%)から上方修正された。過去2年にわたるマイナスの反動という面や、更新投資が中心とみられる点もあり、力強くはないが、プラスに転じたことは前向きに評価できる。
懸念材料は、依然として残る設備・雇用面でのストック調整圧力、企業マージンの縮小、円高だ。特に企業マージンの縮小は顕著であり、これを数量増で賄えるかが今後のカギとなる。
今回の短観は、「海外経済の改善を起点に緩やかに回復しつつある」という日銀の現状判断を裏付けるものの、同時に、先行きへの懸念が払拭できない姿もうかがわれる。積極的な財政出動が出来る地合いにはないため、今後も日銀への対応を求める声は続くだろう。
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