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年金と保険に対する認識
2019年09月04日
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年金は、生存を条件として給付を受け取る保険の一種であると説明できる。実際に、厚生年金の根拠法は、厚生年金保険法である。また、国民年金の根拠法は国民年金法であるが、保険料の納付を規定していることから、同様に、保険制度であると理解できる。
日本の伝統的な保険に対する認識では、保険料が掛け捨ての保険は契約者に不利なものとされて来た。これは過去に予定利率が高かった時代に染み付いた記憶の残滓であろう。バブル経済の崩壊以降、保険に貯蓄機能を求めることは、金利水準の低下もあって、合理的ではなくなってきている。保険に関するテクニカルタームの表現で言えば、保障と貯蓄のアンバンドリングである。
公的年金に関しても、まるで民間の保険商品に対するような見方から保険料の払い損といった説明が、平気でマネー雑誌等に書かれている。国民年金制度の目的は
「老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与すること」(法第1 条)
である。少子高齢化が進む中でのマクロ経済スライドによる給付額の調整は、共同連帯という趣旨から考えると不可避な対応だ。それを否定することは、法の趣旨や世代間の支え合いに背き、既得権益を享受する高齢者に対するおもねりでしかない。
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