平成経済を振り返る~令和に残された課題~

2019年05月30日

(櫨(はじ) 浩一)

■要旨

平成元年(1989年)はバブル景気の絶頂だったが、ほどなく株価や地価のバブルは崩壊し、日本経済は長期にわたって後遺症であるバランスシート調整に悩まされることになった。

平成の日本は、昭和のように戦争を経験することはなかったが、たびたび大きな自然災害に見舞われ、たび重なる海外経済のショックにも見舞われた。平成7年(95年)阪神・淡路大震災と平成23年(2011年)の東日本大震災では人的・物的に大きな被害が出た。大規模な自然災害は経済活動にも影響を及ぼしたが、総じて日本経済の活動水準は比較的短期間で被災前の水準に復帰した。日本自身が原因だったバブル景気崩壊だけでなく、アジア通貨危機、ITバブル崩壊、リーマンショック、欧州債務危機など海外発の経済ショックにも襲われた。

■目次

はじめに
1――平成経済の概観
  1|平成の景気循環
  2|過剰問題の処理と構造改革
2――人口減少・デフレ・新興国の追い上げ
  1|平成経済の3つの変化
  2|人口減少への転換
  3|デフレの発生と金融政策
  4|新興国の追い上げと国際収支構造の変化
3――政策対応と課題
  1|資産価格バブル崩壊と金融政策
  2|政府債務の膨張と家計貯蓄率の低下
  3|雇用の非正規化と格差問題
むすび
レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)