インターネット通販市場の成長と物流施設利用の方向性(2)~市場成長分野に呼応した物流施設ニーズの変化

2018年07月30日

(吉田 資) 不動産市場・不動産市況

■要旨

多頻度輸送を行うインターネット通販の配送センターには、不動産投資家(REIT等)が投資対象とする高機能な物流施設が利用されることが多い。物流施設の投資戦略を立てるにあたり、インターネット通販市場の動向を把握することは必須といえる。

本稿では2回に分けて、インターネット通販市場の成長が物流施設利用に与える影響について考察する。前回のレポートでは、インターネット通販市場の成長可能性、等について概観した。

インターネット通販市場の拡大は、ネットショッピングの利用率上昇と、支出の多いミドル・シニア層の拡大に支えられ、継続すると思われる。ただし、ラストワンマイルを支える宅配便における深刻な人手不足等が阻害要因となり、市場の成長スピードが鈍化することも懸念される。

そこで、今回のレポートでは、インターネット通販市場において、成長余地の大きい分野に着目し、物流施設利用の方向性を考察する。

■目次

1――はじめに
2――インターネット通販の成長分野と物流施設利用
  1|成長余地が大きい分野
  2|ネットスーパーの配送センターの設置ニーズが高い地域
3――市場成長分野に呼応した物流施設ニーズの変化
  1|求められる施設規模・設備
  2|求められる立地条件
4――おわりに

金融研究部   主任研究員

吉田 資(よしだ たすく)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴

【職歴】
 2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
 2018年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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