オフィス市況は好調維持。Jリート市場は復調。-不動産クォータリー・レビュー2018年第1四半期

2018年05月08日

(佐久間 誠)

■要旨
 
  • 日本経済は、輸出の増加や好調な企業業績を背景に設備投資の回復が続いており、2017年10‐12月期のGDP成長率は上方修正された。労働市場の逼迫感は強く、建築コストが上昇している。住宅市場は価格が強含む中、横ばいで推移した。地価は地方でも上昇に向かいつつあるが、依然として二極化傾向にある。
     
  • 東京オフィス市場は、空室率が低下し賃料も緩やかに上昇しているが、Aクラスビルの賃料は高値圏で小幅な動きとなっている。東京では大量供給に起因した2次空室の増加を背景として、2018年後半から市況は軟化すると予想している。一方、地方主要都市のオフィス市場は、新規供給が抑制されるため、底堅いオフィス需要に下支えされ、2020-2021年までは賃料上昇が続く見通しだ。
     
  • 2018年1-3月のJ-REIT市場は+1.5%上昇し、3ヶ月連続でTOPIXをアウトパフォームした。2018年1-3月の不動産売買額は、オフィスの大型取引を主因に約1.3兆円と前年を上回ったが、昨年目立った海外投資家による取得は限定的であった。
■目次

1. 経済動向
2. 地価動向
3. 住宅市場の動向
4. 不動産サブセクターの動向
  (1) オフィス
  (2) 賃貸マンション
  (3) 商業施設・ホテル・物流施設
5. J -REIT(不動産投信)・不動産投資市場
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