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年金は保険なのか、資産形成の手段なのか
2017年12月05日
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生命保険会社の提供する年金は一種の生存保険と考えられ、実際に、個人向け商品は年金保険で、企業との契約は企業年金保険である。また、公的年金でも、厚生年金について定める法律の名称は厚生年金保険法である。つまり、年金は保険の特質を有する。
一方、日本において、多くの年金が年金として機能していない。老後の生活を安定して支えるためには、分割して受取らないと別のリスクを負ってしまうのだが、一時受取りが不可能な公的年金等を除くと、退職所得として扱う税制メリットなどから、一時金で受取られる割合が高い。その結果、実は私的年金の多くが年金という名前でありながら、資産形成の手段でしかなくなっている。
そもそも、日本における私的年金給付の多くが終身でなく有期であり、物価連動でなく固定給付となっている。これでは、受給者の老後を安定させる効果は高くない。特に、長寿化や物価上昇に対しては、ほぼ無防備であるとしても過言ではないだろう。
企業年金や個人年金といった私的年金のあり方を考える際は、母体企業の視点か、受益者の視点か、それとも社会全体の視点なのか、色々な見方が存在する。「貯蓄から資産形成へ」といった単純な話だけではない。年金の果たす役割を改めて考えておきたい。
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