このLISA誕生の発端になったと言われているのが「Time for TEE-The unification of pensions and ISAs」というレポートだ。その主張は年金税制の不公平性、非効率性、複雑性に対する批判から始まり、財政負担を軽減するという点からも年金に対する既存の優遇制度を廃止し、ISA型の年金制度への移行が望ましいと結んでいる。当面は年金税制に根本的な変更を行なわないままでのLISA導入となったが、将来的にどのような展開になるかはわからない状態にある。こうした一連の動きは英国の年金税制をめぐる議論の産物という側面があるものの、ISAの役割が変化しているという意味ではわが国のNISAの在り方の議論にも無関係ではない。限られた国の財源や金融機関のリソース配分と言う点から言えば、他の非課税制度、特に確定拠出年金との関係整理もいずれ必要ではないだろうか。