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景気ウォッチャー調査(16年7月)~円高・株安によるマインド面の下押し圧力が和らぐ
2016年08月09日
(岡 圭佑)
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3.景気の先行き判断DI:2ヵ月ぶりの改善も、先行きの不透明感は拭えず
先行き判断DIは47.1(前月差5.6ポイント)と2ヵ月ぶりに改善し、参考系列として公表されている季節調整値も46.6と前月から6.9ポイントの改善となった。先行き判断DIの内訳をみると、家計動向関連が前月差5.1ポイント、企業動向関連が同6.7ポイント、雇用関連が同6.9ポイントといずれも前月から改善した。
家計動向関連
では、「商品売り上げの動向を見ると、主力の衣料品売上が厳しい。また、円高株安で、高額品の売上も厳しくなる」(九州・百貨店)といったように、円高株安によるマインド面の下押しを危惧する声が聞かれた一方で、「金融政策と政府の経済対策により消費が高まると見ている。特に耐久消費財では、客単価や購買指数のアップが期待できる」(南関東・家電量販店)など、経済対策へ期待を寄せる声が多く聞かれた。
企業動向関連
では、「当地の主要産業である自動車産業では、円高に対する不安が現実となっている」(東海・輸送用機械器具製造業)とのコメントのように、円高への懸念が根強いことが窺える一方で、「公共工事は現政権のもと3年間順調に推移している。今期は発注額が前年比83%、当社受注も85%と厳しい。政府が28兆円規模の大きな経済対策を打ち出したので、今後に期待したい」(北関東・建設業)など、経済対策への期待感が高まっている様子が見て取れる。
雇用関連
では、「企業にヒアリングしたところ、中国経済の減速や英国のEU離脱問題による為替相場の変動に伴い、先行きの不透明感が増している」(近畿・職業安定所)といったように、世界経済の先行き不透明感から雇用環境が厳しくなるなど懸念材料もみられる。一方、「今月の新規求人数は、前年同月と比べて減少したものの、フルタイム求人を中心に企業の採用意欲は強く、引き続き求人増加が見込まれる」(南関東・職業安定所)など、先行きも企業の採用意欲は堅調に推移することを示唆するコメントが多数寄せられた。
7月調査では、現状判断DIが4ヵ月ぶりに改善したものの、英国のEU離脱決定後の落ち込みの反動による可能性が高い。また、先行きは大規模な経済対策の効果や猛暑による消費増への期待などから、景況感の改善が見込まれているが、こうした押し上げ効果が今後も継続するかは不透明な面もある。このため、景況感が短期的に改善基調に転じることは見込みにくく、当面足踏みが続くことが予想される。
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