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ピケティで考える日本の社会保障が目指す方向
2015年04月03日
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ピケティが著した「21世紀の資本」が話題となっている。注目される理由は、「r > g(資本収益率が経済成長率を上回る)」というシンプルな関係式で、現代社会の抱える所得や資産の格差、富める者が富む構造を分かり易く説いているからだろう。
国会でも、同氏を引き合いにした与野党間の論戦が行われた。
同氏の懸念は、r > gの関係ではなく、格差の拡大や固定化により民主的な社会に矛盾が生じる可能性にある。これに対する方策として、資産や所得の再分配を促す「グローバルな資産課税」を提案している。
我が国の社会保障の方向性を社会保障制度改革国民会議が纏めた報告書で見ると、年金制度では高所得者の年金給付の見直しによる世代内の再分配機能の強化などが提案されている。社会保障を通じた格差の緩和は、我が国でも重要課題であり、社会保障制度改革のメニューに挙がっている。
来年1月からは、社会保障、税、災害対策分野からマイナンバー制度の運用が開始される。先に挙げた年金を含めた社会保障の改革を進め、同時にマイナンバー制度を通じてこれを運営することによって、必要な方々に適切な社会保障を提供する体制の確立が急がれる。
市場原理に基づく経済成長と格差是正をどのようにバランスさせるのか、舵取りの是非が問われる。
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