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中国経済:15年3月の景気評価点~景気失速リスクの高まりを示唆する結果
2015年04月24日
(三尾 幸吉郎)
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中国国家統計局は15年1-3月期の国内総生産(GDP)を発表した。実質成長率は前年同期比7.0%増(前期比1.3%増)と、14年の前年比7.4%増と比べると0.4ポイントの鈍化となった(下左図)。しかし、事前の市場コンセンサスも同7.0%増だったので、既に公表されたデータから十分予想できる想定範囲内の悪化だったといえるだろう。しかし、同時期に公表された3月単月の景気指標は予想を遥かに超える悪化となった。
供給面の景気指標を見ると、3月の工業生産は1-2月期を1.2ポイントも下回り、3月の電力消費量(第3次産業)が前年同月比4.6%増と1-2月期の同8.1%増から大きく鈍化するなど第3次産業にも陰りがでてきた。需要面から見ても、3月の輸出金額は前年同月比15%減に落ち込み、個人消費の代表指標(小売売上高)と投資の代表指標(固定資産投資)も3月は1-2月期を下回る伸びに留まり、需要面を見る3指標が揃って鈍化した。その他の重要な4指標を見ても、経済活動をする上で欠かせない電力消費量、モノの動きを示す道路貨物輸送量、カネの動きを示す通貨供給量の3つが下向いた。以上の景気10指標を総合的に見た景気評価点は再び1点に落ち込み、景気失速リスクの高まりを示唆する結果となった(下右図)。
このように、3月は工業生産が大幅減速したのに加え、第3次産業にも陰りが見え、需要面を見る3指標も揃って鈍化しており、このままだと4-6月期の成長率は6%台後半に落ちてしまうと見られる。従って、「7%前後」という成長率目標を達成するためには、インフラ整備の前倒しや追加利下げの実施などで景気をテコ入れする必要がある状況だと思われる。
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