通貨スワップ市場がもたらす外貨投資インセンティブの非対称性

2015年02月24日

(福本 勇樹) 金利・債券

■要旨

日本の金利市場において金利低下が進んでいることから、本邦投資家が利回り確保のために外国債券へのアロケーションを増やすといった外貨投資に関する話題を聞くことが多くなっている。一方で、海外投資家による日本国債の保有残高がここ数年増加傾向にある。本邦投資家が利回り確保の観点で円建て資産への投資に対して悲観的になっている中で、海外投資家は日本国債に対してどのようなインセンティブを感じ、その保有額を増加させているのであろうか。本稿では、ここ数年の通貨スワップ市場の環境から、外貨を保有する投資家にとって対円投資のインセンティブが相対的に高まっている点について紹介する。また、それとは対照的に、円を保有する投資家が外貨投資を行う際に、内外金利差に起因するヘッジコストだけではなく、通貨スワップ取引等のスキームを活用することによる追加的なコストについても無視できない点についても紹介する。

金融研究部   金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任

福本 勇樹(ふくもと ゆうき)

研究領域:

研究・専門分野
金融・決済・価格評価

経歴

【職歴】
 2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
 2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
 2021年7月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
 ・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)

【著書】
 成城大学経済研究所 研究報告No.88
 『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
  著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
  出版社:成城大学経済研究所
  発行年月:2020年02月

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