1月ECB政策理事会: 資産買入れプログラムを拡大、国債含め月600億ユーロに

2015年01月23日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)が22日に政策理事会を開催、資産買い入れプログラムの拡大とターゲット型資金供給(TLTRO)の条件変更を決めた。

資産買い入れプログラムは、3月から対象資産に投資適格の国債等を加え、月600億ユーロを買入れる。プログラムは2016年9月末または2%以下でその近辺という中期物価目標の達成が見通せるまで継続する。反対派のドイツ等への配慮から、国債等の買入れ額に占めるリスク共有化の比率は20%に抑制した。

ユーロ圏は構造的に米国のような量的緩和の効果が期待しにくい。ドラギ総裁は会見で政府と欧州委員会の行動の必要性を強調した。EUによる「欧州のための投資プロジェクト」や財政政策監視のためのルールの柔軟化の動きが、投資縮小に歯止めを掛ける転換点となるか注目される。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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