欧米生保市場定点観測(6)ビッグデータの生保への活用-アメリカの生保では、ビッグデータの取組みは進んでいるのか?

2014年09月09日

(篠原 拓也) 保険計理

【要旨】

本稿は、生命保険制度に興味のある方々に向けて、ビッグデータへの取組み動向を紹介するもので、特に予備知識を要しない平易な内容としている。

現在、ビッグデータが世界中で活用されている。古くから企業経営では、様々な場面で情報が活用されてきた。生保会社でも、情報活用が経営の生命線であることは言うまでもない。近年、取り扱う情報の量は劇的に増加している。情報の質の面でも、様々なマルチメディアから発信される音声や映像などへと多様化が進んでいる。情報の更新頻度も増加している。ビッグデータは、多量性、多種性、リアルタイム性を特徴としている。
ビッグデータの取扱いは、欧米での取組みが進んでいる。金融分野では銀行や損保会社での先行事例が出ているが、生保会社での取扱いは初期段階にとどまっている。ビッグデータは、今後の情報処理および情報通信技術の発展の中で、中心的な役割を果たすものと考えられる。コンプライアンスやプライバシー保護といった問題もあるが、顧客との信頼関係を維持・発展させることを念頭に置いて取り組むべきと考えられる。ビッグデータをはじめとした関連技術の発展は、今後、更に加速していくであろう。その動向に注意しつつ、ビッグデータへの取組みを進めていくべきと考えられる。

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