9月ECB政策理事会:サプライズ利下げを決定。民間資産買入れも従来想定以上の規模に

2014年09月05日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)が4日に9月の政策理事会を開催、0.1%の追加利下げとABSとカバード・ボンドの買入れの10月開始を決め、国債買い入れに関しても協議した。

民間資産の買入れプログラムの詳細は10月2日の次回理事会で決定されるが、ABSには不動産ローン担保証券(MBS)が含まれ、カバード・ボンドの買入れも限定的だった過去2回とは「目的が異なる(ドラギ総裁)」とされ、従来想定されていたよりも規模が膨らむことになりそうだ。

ユーロ相場は今回の追加緩和を受けて、1ユーロ=1.3ドルのラインを割り込んだ。

市場では、ECBは今後さらに国債買い入れに追い込まれるとの観測は根強いが、TLTROの利用と民間資産買入れプログラムの内容を見極めてからでなければ、次の一手の必要性を論じることは難しい。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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