【6月米貿易統計】2カ月連続で貿易赤字は縮小

2014年08月07日

(高山 武士) 欧州経済

【要旨】

結果の概要:2カ月連続の赤字幅縮小

8月6日、米商務省の国勢調査局および経済分析局(BEA)は6月の貿易統計(速報値)を公表した。6月の財・サービスを合計した輸出額(季節調整済 、国際収支ベース )は1958.63億ドル、輸入額(同)は2374.01億ドルとなり、貿易収支は▲415.38億ドル(前月改定値:▲446.63億ドル)であった。その結果、貿易赤字は5月から31.25億ドル縮小している(前月は同23.74億ドルの赤字縮小)。
市場予想は6月の貿易収支で▲448億ドル(Bloomberg集計の中央値)と赤字幅の拡大が予想されていたが、2カ月連続して赤字幅が縮小するという結果となった。
輸出入の伸び率を前月比年率で見ると輸出は+1.6%(前月:同+13.8%)、輸入は▲13.4%(前月:同▲1.4%)となった。前年同月比では、輸出は+2.9%(前月:同+4.5%)、輸入は+4.6%(前月:同+3.5%)であった。貿易収支を前年同月の2013年6
月と比較すると、49.86億ドルの赤字拡大(前月は1.68億ドルの赤字縮小)だった。
貿易収支は2カ月連続して赤字幅が縮小したが、足もとでは米国の景気拡大に伴って財輸入の伸びが加速していることが目立つ。そのため、今後は貿易収支の赤字幅が拡大していくと思われる(詳細はPDFを参照)。


経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)