【5月米耐久財受注】予想は下回ったが、企業の設備投資期待は剥落せず

2014年06月26日

(高山 武士) 欧州経済

【要旨】

結果の概要:ヘッドラインは予想を下回ったが、コア資本財は堅調

6月25日、米国商務省が5月の製造業の耐久財出荷・在庫・受注統計を公表した。注目度の高い耐久財受注額は前月比▲1.0%となり、前月改定値(同+0.8%)からマイナスに転じ、市場予想の+0.0%(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も下回った。振れの大きい輸送用機器を除いたベースでも前月比▲0.1%となり、前月改定値(同+0.4%)や市場予想(同+0.3%)を下回った。5月は輸送用機器と同じく変動の大きい国防関連が前月比▲25.1%(前月:+32.9%)と大幅マイナスとなったため、これが耐久財受注の落ち込みにつながった。
一方、設備投資の先行指標となる国防および航空を除くコア資本財受注高は前月比+0.7%となり、前月改定値(同▲1.1%)からプラスに転じ、市場予想(同+0.5%)も上回った。コア資本財の受注・出荷を3カ月移動平均で見ると、寒波からの回復が鮮明に見てとれる。
ヘッドラインの耐久財受注伸び率は市場予想を下回ったものの、振れの大きな国防や輸送関連が落ち込んだ影響が大きい。設備投資の回復期待は剥落しておらず、過度の懸念は不要だろう(詳細はPDFを参照)。


経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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