QE速報：1-3月期の実質ＧＤＰは前期比1.5％（年率5.9％）～駆け込み需要を主因に高成長

2014年1-3月期の実質ＧＤＰは、前期比1.5％（年率5.9％）となり、2013年10-12月期の年率0.3％から成長率が大きく高まった（当研究所予測5月2日：前期比1.2％、年率5.0％）。
外需は引き続き成長率を押し下げた（前期比・寄与度▲0.3％）が、消費税率引き上げ前の駆け込み需要を主因として民間消費が前期比2.1％と急増したこと、好調な企業収益を背景に設備投資が前期比4.9％の高い伸びとなったことから、国内民間需要が経済成長の牽引役となった。一方、公的需要は公的固定資本形成が2012年度補正予算の効果が一巡し前期比▲2.4％となったことから、7四半期ぶりの減少となった。
名目ＧＤＰは前期比1.2％（前期比年率5.1％）と6四半期連続で増加したが、実質の伸びは下回った。2013年度の実質ＧＤＰ成長率は2.3％、名目ＧＤＰ成長率は1.9％となった。
2014年1-3月期は極めて高い成長となったが、4-6月期はその反動から民間消費、住宅投資が大きく落ち込むことが避けられない。一方、3四半期連続でマイナスとなった外需は、輸出の持ち直しと内需減速に伴う輸入の減少から成長率の押し上げ要因に転じるだろう。現時点では、4-6月期の実質ＧＤＰは前期比年率▲5％台のマイナス成長を予測している。

経済研究部経済調査部長

斎藤太郎（さいとうたろう）

研究領域：経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

・ 1992年：日本生命保険相互会社
・ 1996年：ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年　拓殖大学非常勤講師（日本経済論）
・ 2012年～　神奈川大学非常勤講師（日本経済論）
・ 2018年～　統計委員会専門委員

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