年金によるPE投資拡大の期待 ~ 機関投資家が成長資金の供給源となれるか~

2013年09月26日

(德島 勝幸) 公的年金

■要旨

長期資金である年金の運用対象として、上場株式のような従来の市場性ある有価証券以外に、流動性のやや劣るPrivate Equity(PE)投資が注目されはじめている。ファンドを通じて非上場企業の株式に投資するものであり、 成熟した上場企業への投資とは異なって、起業や企業再生といったステージの異なるリスクを抱えたものへの資金供給として注目されるカテゴリーである。欧米の年金では、実際に、ある程度の資金配分を行っている例も珍しくない。

本稿では、アベノミクスと異次元の金融緩和による影響を踏まえつつ、日本の年金運用におけるPE投資拡大の可能性について、留意点を踏まえながら検討する。PE投資は、低金利で運用難に苦しむ年金にとっても、資金ニーズのある非上場企業にとっても、また、日本経済全体の中期的な成長のためにも、意味のあるものとなることが期待される。

金融研究部   取締役 研究理事 兼 年金総合リサーチセンター長 兼 ESG推進室長

德島 勝幸(とくしま かつゆき)

研究領域:年金

研究・専門分野
債券・クレジット・ALM

経歴

【職歴】
 ・1986年 日本生命保険相互会社入社
 ・1991年 ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA
 ・2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社に出向
 ・2008年 ニッセイ基礎研究所へ
 ・2021年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・日本ファイナンス学会
 ・証券経済学会
 ・日本金融学会
 ・日本経営財務研究学会

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