経済研究部 主席エコノミスト
上野 剛志(うえの つよし)
研究領域:金融・為替
研究・専門分野
金融・為替、日本経済
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■見出し
・貸出動向:伸び率は前月からほぼ横ばい
・マネタリーベース:3ヵ月連続で過去最高を更新
・マネーストック:マネーの拡大基調強まる、リスク性資産投資が活発化
■introduction
貸出・預金動向(速報)によると、5月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.1%であった。小数点以下第2位まで見ると伸び率は前月をわずかに上回るものの、従来と比べて伸び率の拡大ペースは鈍化。これが一時的な動きに過ぎないのか、それとも頭打ちを意味しているのか、見極めにはもう少し時間が必要となる。
5月のマネタリーベースによると、マネタリーベース月間増加額は末残ベース(季節調整前)では3.9兆円に留まったが、季節調整を施した平残ベースでは10.9兆円に達しており、4月に続いて目標達成ペースをクリア。5月末マネタリーベース残高は159.2兆円と3ヵ月連続で過去最高を更新してい。
また、マネーストック統計によると、5月のM2平均残高の伸び率は前年比3.4%、M3は同2.8%と現行統計で遡れる04年4月以降で過去最高を記録、広義流動性の伸び率も前年比2.8%と急進した。投資信託の伸び率大幅拡大などにより広義流動性の伸び率がM3を僅かながら上回ったのが今回の特徴である。これはリーマン・ショック直前の08年8月以来の出来事となる。5月も下旬までは円安・株高が進んだため、リスク性資産への投資が活発化したとみられる。
経済研究部 主席エコノミスト
研究領域:金融・為替
研究・専門分野
金融・為替、日本経済
・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)