【アジア新興経済レビュー】生産・輸出の鈍化が目立ちはじめた

2013年05月01日

(高山 武士) 欧州経済

  1. 4月に発表されたアジア新興国・経済の各種指標からは、生産や輸出での伸び悩みが目立つようになってきた。4月には韓国や台湾ではGDP統計も公表されており、いずれも冴えない結果であった。そのため、先行きの不透明感が強くなっており、特に、円安の定着などの輸出環境悪化による悪影響の懸念が高まったと言える。ASEAN主要国では、自動車販売などの内需が依然として堅調ではあるが、伸び率は昨年後半時点より低下している。5月にはASEAN主要国のGDPも発表されるため、昨年見られたような高成長率を維持できるか注目される。
  2. インドでは、WPIの伸び率が鈍化したため、今月3日に開かれる金融政策決定会合で利下げが実施されるか注目される。最近の経済指標は改善しているものの、勢いに欠けるため、利下げを実施して、経済促進をはかるとみられる。ただし、中央銀行は前回の利下げ時に、すでに金融緩和に消極的な姿勢を見せていること、CPIが依然として2桁の高い伸び率を見せていることから、利下げ幅は0.25%と限定的になると見られる。
  3. その他、5月はマレーシアでの総選挙も注目だろう。

経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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