経済研究部 主任研究員
高山 武士(たかやま たけし)
研究領域:経済
研究・専門分野
欧州経済、世界経済
関連カテゴリ
■見出し
・予想以上の高成長を達成
・為替リスクが新たな懸念材料、長期的にはインドシナ開発に注目
■introduction
タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は2月18日に2012年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で+18.9%となり、前年同期が洪水の影響で大きく落ち込んでいたこともあり、7-9月期(同+3.1%)から大幅増となった。また、前期比(季節調整値)で見ても+3.6%の増加となり、こちらも7-9月期(同+1.5%)から加速している。その結果、2012年の成長率は+6.4%となり、洪水被害にあった2011年の+0.8%から急回復、予想以上の高成長を記録したと言える。
成長の内訳を需要項目別に見ても、総じて堅調だったと言える(図表1)。10-12月期は前年同期比で個人消費が+12.2%、政府消費が+12.1%、投資が+23.5%を記録、とりわけ投資の伸びは官民ともに20%を超えており成長の原動力となった。外需についても、10-12月期は観光客が急増、サービス輸出が同+42.3%と大きく増加しており、輸出全体でも前年同期比+19.0%と高い成長を記録した。一方、輸入の伸びは前年同期比+14.7%と輸出の伸びに比べ限定的にとどまったため、純輸出の成長率への寄与は+4.7%ポイントと大幅プラスとなった。
供給項目を見ると、7-9月期はGDPシェアで約4割に達する製造業が前年同期比+37.4%と大幅に伸びた(図表2)。今まで生産回復に遅れが目立っていたHDDなどの主要産業でも伸びが見られたほか、政府による自動車購入支援策が生産を押し上げたと見られる。また観光客が増えた影響でホテル・レストラン業が前年同期比+25.4%の高い成長を記録するなどサービス業も堅調だった。
経済研究部 主任研究員
研究領域:経済
研究・専門分野
欧州経済、世界経済
【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員