まちかど景気を利用すると個別株の投資成果が向上 - 投資家心理とバリュー株効果の関連性

2013年02月04日

(井出 真吾) 株式

【要約】

  • PBR(株価純資産倍率)は株価の割安/割高を判定する代表的な指標だが、近年、その有効性が不安定になった。この背景として、投資家が悲観的だとPBRが低くても買わない(割安とみなさない)など、投資家心理の影響が考えられる。
  • 投資家心理とPBR効果(バリュー株効果)の関連性を検証したところ、投資家が悲観から楽観に転換するときや、景気が回復過程のときに強いPBR効果が観察された。
  • また、日経平均採用銘柄を対象としたシミュレーションでは、投資家の心理状態に応じて低PBR銘柄に投資するか現金で保有するか判定すると、単純にPBRが低い銘柄に投資し続けた場合よりも高い収益率を得た(下図参照)。

  1. はじめに
  2. PBR効果の不安定化とその背景
  3. まちかど景気とPBR効果
  4. 個別株投資への応用
  5. おわりに

金融研究部   主席研究員 チーフ株式ストラテジスト

井出 真吾(いで しんご)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
株式市場・株式投資・マクロ経済・資産形成

経歴

【職歴】
 1993年 日本生命保険相互会社入社
 1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本ファイナンス学会理事
 ・日本証券アナリスト協会認定アナリスト

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