中国の生保市場-必要とされている保険は?-北京市を例に-

2013年01月28日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■見出し

1|北京市-保険の普及が最も進んだ地域
2|加入意向が高いのは医療費や入院費を対象とした医療保障
3│自己負担が重い医療保険制度
4│加入決定に重要なのは、保険金・給付金の請求手続きの簡素さ、迅速さ

■introduction

中国では保険商品を「いざというときの家族の生活保障」というよりは、「金融商品(貯蓄や財産形成)の1つ」として捉える傾向が強いとされている。実際、保険料収入ベースの商品構成をみると、養老保険を中心とする貯蓄性を持つ商品が全体の8割を占めている状態だ。
しかし、必要とされている保険や今後加入を希望する保険はそういった保険ばかりであろうか。中国で保険が最も普及しているとされる北京市において、住民を対象に、北京市保険学会が複数のメディア等と共同で実施した調査では、保険の加入目的は「医療保障」が最も多く、現在加入している保険、今後加入を希望する保険についても「医療保険」、「傷害保険」が上位に挙げられている。日本と中国では公的医療保険制度は大きく異なり、中国では医療リスクに対する保障がより強く求められる傾向にある。




保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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