1月ECB政策理事会:全会一致で政策金利を据え置き

2013年01月11日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)は10日に政策理事会を開催、全会一致で政策金利の据え置きを決定した。
ドラギ総裁は、ECBのOMTの効果ばかりでなく、各国レベル、ユーロ圏レベルでの取り組みの結果、金融市場は大きく改善、域内市場の分断が緩やかに緩和、「ポジティブな伝播」が見られるとの判断を示した。しかしながら、市場の改善はまだ実体経済には波及しておらず、見通しのリスクは下方、景気の回復は2013年後半という従来の見方を維持した。
ECBは、これまでの金融政策の効果や各国の構造改革、ユーロ制度改革の進捗を見守るため、当面、政策金利を据え置き、様子見を継続すると思われる。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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