資金循環統計(12年7-9月期)~個人金融資産は前年比21兆円増の1510兆円

2012年12月21日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・個人金融資産(12年9月末): 前期比では5兆円減
・資金流出入の詳細 : リスク回避姿勢はまだ継続
・部門別資金過不足等 : 海外の国債保有額と比率が過去最高を更新

■introduction

2012年9月末の個人金融資産残高は、前年比21兆円(1.4%)増の1510兆円となった。2011年9月末以降の一年間に時価が0.4兆円減少したが、22兆円の資金流入(フロー)があったため、金融資産は純増となった。

四半期ベースでは、前期(12年4-6月)末比で5兆円の減少となった。例年7-9月期は一般的な賞与支給月を含まないことからフローで流出超過となる傾向があり、今回もフローで2兆円の流出超過となった。さらに、7-9月期は世界経済低迷や日中関係悪化などに伴う株安、米QE3などに伴う円高などから、時価の減少が3兆円(うち株式・出資金が4兆円)発生したことが響いている。
しかしながら、その後10-12月期には、かなり大幅な円安・株高が進行しており、足元の個人金融資産は9月末時点からかなり回復しているとみられる(図表1~4)。

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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