12月ECB政策理事会:固定金利・金額無制限の資金供給を13年半ばまで延長、利下げは見送り

2012年12月07日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)は6日に12月の政策理事会を開催、固定金利・金額無制限の資金供給を少なくとも2013年半ばまで継続することを決めた。一方、政策金利については、幅広く議論した上で、コンセンサスで据え置きを決めた。ドラギ総裁は、経済見通しの大幅な下方修正にも関わらず、追加利下げを見送った理由として「中期的な物価の判断を大きくは変更していない」ことなどを挙げた。
ECBの利下げの余地はそもそも乏しくなっている上に、南北間で成長と雇用、資産価格などの非対称性が強い状況では、利下げ効果が限られる半面で副作用が大きくなる可能性がある。
追加利下げは、想定以上に景気が下振れ、デフレのリスクが強まった場合の選択肢となろう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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