年金基金の健全性規制の動向 - 欧州で行われている定量的調査の概要

2012年11月26日

(安井 義浩) 保険計理

■見出し

1――はじめに
2――年金基金に対する定量的調査の概要
 1│これまでの経緯
 2│技術的仕様書の概要—Holistic Balance Sheet
 3│技術的準備金(最良推計・リスクマージン)
 4│年金基金特有の項目
 5│必要自己資本-ソルベンシー資本要件(SCR)と最低資本要件(MCR)
 6│使用するシナリオ
3――適用する割引利率について
4――おわりに

■introduction

欧州における保険会社の健全性規制に関しては、ソルベンシーII導入の検討が進められているところであるが、一方で年金基金の健全性に関する議論も本格化してきているようである。ひとことで言えば、年金基金にもソルベンシーII相当の制度を導入しようという動きである。逆に保険・年金の全体の考え方の整合性の観点からは、保険会社のソルベンシーIIの以後の議論に跳ね返ってくる議論もあるかもしれない。また、ソルベンシーII同様、こうした議論はいずれ日本の年金の健全性規制にも影響を与えるものであり、常時、検討状況を把握しておくことが重要と思われる。当レポートではその内容につき紹介し、今後の議論を追跡するための出発点としたい。

保険研究部   主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任

安井 義浩(やすい よしひろ)

研究領域:保険

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴

【職歴】
 1987年 日本生命保険相互会社入社
 ・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
 2012年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)