日銀決定会合(8/8-9日):現状維持、景気判断は微妙に下方修正、来月以降の追加緩和の布石?

2012年08月09日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・現状維持、景気判断は微妙に下方修正、来月以降の追加緩和の布石?

■introduction

日銀は8-9日の決定会合で政策金利(無担保コール)の誘導目標を0-0.1%程度に据え置くことを全員一致で決定した。「資産買い入れ基金」の総額を70兆円で維持し、追加金融緩和を見送った。

今回2人の新メンバー(7月24日に就任:佐藤健裕、木内登英の両審議委員)が加わった。両氏ともにハト派とされるだけに、新たな提案がでるなどの憶測、期待もあったが、初回は現状維持賛成に回り、結果としては「無風」の会合だったようだ。

景気判断は「国内需要が堅調に推移するもとで緩やかに持ち直しつつある」、先行き判断は「国内需要が引き続き堅調に推移し、海外経済が減速した状態から脱していくにつれて、緩やかな回復経路に復していく」「消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる」と前月と同様の判断となっている。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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