日銀決定会合(7/12):中間評価は概ね見通しに沿って推移、札割れ対策を発表

2012年07月12日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・追加緩和は見送り、札割れ対策を実施
・展望レポートの中間評価:概ね見通しに沿って推移

■introduction

日銀は11-12日の決定会合で政策金利(無担保コール)の誘導目標を0-0.1%程度に据え置くことを全員一致で決定した。
足元頻発している札割れ対策として、(1)固定金利オペの買い入れ規模を5兆円減額し、短期国債を5兆円増額、(2)短期国債とCPの入札下限金利(0.1%)を撤廃、(3)固定金利オペの期間3カ月と6カ月の区分をなくす、などを打ち出した。

今回の発表文を見ると、上記の札割れ対策は追加緩和策ではないようだ。あくまで確実に基金の買入れを進めるために頻発している札割れに現実的な対策を打ったとの位置づけのようだ。

景気判断は「国内需要が堅調に推移するもとで緩やかに持ち直しつつある」、先行き判断は「国内需要が引き続き堅調に推移し、海外経済が減速した状態から脱していくにつれて、緩やかな回復経路に復していく」「消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる」と前月と同様の判断となった。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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