アジア新興国・地域経済:5月発表予定の経済指標と予測

2012年04月27日

(三尾 幸吉郎)

(高山 武士)

  1. 中国の経済統計発表では景気の減速度合いと消費者物価の動きが注目される。小売売上高はやや改善、投資はやや鈍化と予想、全体としては「緩やかな景気減速」との見方を変えるほどの材料にはならないと見る。一方、消費者物価は前月より上昇率が若干低下すると予想、予想どおりなら預金準備率の追加的引き下げ観測が高まるだろう。
  2. その他のアジア新興国・地域で注目の指標はインドの物価と成長率である。インドの物価は低下しつつあるが、世界的な原油高や国内の食料品価格が高いため、一段のインフレ率低下は見込みにくい。インドの成長率は内需に底打ちの兆しが見られていることから、穏やかに回復すると予想する。また、5月はASEAN主要国の成長率も発表される。欧米先進国や中国には力強い成長が見られないが、ASEANでは内需主導による堅調な成長が持続すると予想する。
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