4月ECB政策理事会:拡大する域内格差、当面は現状維持を継続せざるを得ず

2012年04月05日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

4日開催の4月の欧州中央銀行(ECB)政策理事会は全会一致で現状維持を決めた。
ユーロ圏の危機は小康状態にあるものの、南欧への警戒は続いている。全体では、ユーロ圏の景気は緩やかな回復が見込まれるが、景気の一層の落ち込みと雇用の悪化が予想される南欧と雇用堅調なドイツという域内の格差は拡大しやすくなっている。
ECBは、当面は南欧の信用危機の再拡大、景気下振れリスクとドイツのインフレ圧力とを両睨みせざるを得ず、政策面では現状維持を継続することになるだろう。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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