3月ECB政策理事会:総額1兆ユーロを超えた3年物資金供給の効果見極めへ

2012年03月09日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・グロスで1兆ユーロを越えた3年物資金供給は「疑いのない成功」
・景気見通しは慎重姿勢を幾分緩和、インフレ見通しは上方修正
・大量資金供給の効果と副作用見極めのための様子見継続へ

■introduction

8日開催の3月の欧州中央銀行(ECB)政策理事会は「疑いのない成功(ドラギ総裁)」に終わった3年物資金供給の直後ということもあり、新たな政策決定はなかった。
今月の声明分には、景気見通しの慎重姿勢の緩和、インフレについては「内生的圧力は限定的」としながらも、「2012年中は2%を上回る」とし見通しを上方修正するなどの変更が加えられた。
ECBの金融政策は、当面の間、3年物資金供給の効果と副作用を見極めるための現状維持が続く見通しである。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)