経済研究部 経済調査部長
斎藤 太郎(さいとう たろう)
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
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■見出し
・コアCPI上昇率は4ヵ月連続のマイナス
・コアCPIは小幅な下落が続く見込み
■introduction
総務省が3月2日に公表した消費者物価指数によると、12年1月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲0.1%となり、下落率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.2%、当社予想も▲0.2%)を上回る結果であった。コアCPIの内訳をみると、ガソリン、電気代などのエネルギー価格の上昇率は12月の前年比6.9%から同5.7%へと縮小した。
一方、冷暖房用器具(12月:前年比▲15.2%→1月:同13.2%)、ルームエアコン(12月:前年比▲19.0%→1月:16.3%)が前月までの大幅下落から一転して大幅上昇となったことから、家庭用耐久財の下落率が12月の前年比▲18.6%から同▲8.1%へと大きく縮小したことがコアCPIの下落率縮小に寄与した。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が0.46%(12月は0.56%)、食料品(生鮮食品を除く)が0.07%(12月は0.07%)、その他が▲0.63%(12月は▲0.73%)であった。イラン情勢の緊迫化などを背景にここにきて原油価格が大幅に上昇していることに加え、円安も進んでいるため、ガソリン、灯油価格はすでに上昇傾向が鮮明となっており、電気代、ガス代もしばらくは値上げが続くことになる。エネルギー価格は昨年春から夏にかけて高い水準となっていたため、前年比で見た押し上げ幅は今後大きく縮小すると見ていたが、高止まりする可能性が高くなってきた。
コアCPI上昇率は当面は小幅なマイナスで推移することが見込まれる。
経済研究部 経済調査部長
研究領域:経済
研究・専門分野
日本経済、雇用
・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員