ギリシャ向け第二次支援-いよいよ決着へ

2012年02月17日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

  1. 20日の定例ユーロ圏財務相会合でのギリシャ向け第二次支援の承認に向けた調整が大詰めを迎えている。ギリシャは支援承認のための3条件を達成しつつあり、焦点は民間との債務再編協議と監視強化・債務返済優先の仕組みを巡る調整に移っている。
  2. 公的資金の無制限な投入や交換後の国債の利払い停止を避けたい支援国側と元本償還圧力と利払いの負担の長期にわたる軽減する見返りとして財政主権の部分的放棄を迫られることに難色を示すギリシャの対立は、ギリシャの譲歩で決着するだろう。
  3. 政策対応の進展(下図参照)もあり、ギリシャ・ショックへの耐性は以前よりも高まったが、ギリシャと支援国の双方にとって「無秩序なデフォルト」の回避が望ましい。



経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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