12月日銀決定会合:2ヶ月連続で下方修正、今年の振り返りと来年の展望

2011年12月21日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・今年の最後の決定会合は、現状維持
・2011年の金融政策 : 3度の基金増加の緩和、緩和のテーマは少しずつ変化
・2012年の金融政策 : ポイントは「回復シナリオ」をどこまで引っ張れるのか?メインシナリオは基金増額、
  回復シナリオ維持できなければ、かなり大胆なことも議論の遡上に

■introduction

日銀は20-21日に今年最後の金融政策決定会合を開き政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0-0.1%程度に据え置き(全員一致)、総額55兆円の基金による各種金融資産買い入れも据え置いた。
前回の11月会合では、足元の判断について、景気持ち直しのペースが緩やかになっているとしていたが、今回は「持ち直しの動きが一服している」に2ヶ月連続で下方修正した。
先行きについても、当面は横ばい圏内の動きになるとし、海外経済の減速や円高などを背景に、日本経済はしばらく停滞が続くとの認識を示した。
ただし、横ばい後は、新興国・資源国に牽引される形で海外経済の成長率が再び高まることや、震災復興関連の需要が徐々に顕在化していくことなどから、緩やかな回復経路に復していくとの「回復シナリオ」は維持されている。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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