11月ECB政策理事会:景気減速、ギリシャ不安の拡大に対応、25bpの利下げを実施

2011年11月04日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・12月の見通し改定を待たずに25bpの利下げを実施。早期の追加利下げの可能性も濃厚
・国債買い入れは現状では正当化される。先行きについては明言せず

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は3日に開催した11月の政策理事会で25bpの政策金利の引き下げを決めた。今夏からの財政危機の拡大、金融システムの緊張が実体経済に及ぼす影響が明確になってきたことに加えて、先月26日のユーロ圏首脳会議での包括策の合意にも関わらず、ギリシャの国民投票の実施を巡り情勢の不透明感が増したことに対応、12月のスタッフ経済見通しの公表を待たずに全員一致で利下げを決めた。
国債買い入れの継続については金融政策の波及経路が妨げられている状況では正当化されると述べるに留め、先行きについての言及は避けた。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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