インドの金融政策(11年10月)~インフレ率が高止まるなか、13回目の利上げへ

2011年10月26日

(高山 武士) 欧州経済

■見出し

・利上げの状況
・インフレの状況と中央銀行の姿勢

■introduction

インド準備銀行(RBI、インドの中央銀行)は10月25日に開催された金融政策決定会合で、政策金利であるレポ金利を0.25%引き上げ、8.50%とすることを発表した 。これは2010年3月以降で13回目の利上げとなる。
インドでは、9月の卸売物価指数(WPI)が前年同月比で9.72%と高止まりしていたものの、欧州の債務問題などにより世界経済の成長が鈍化していることから、市場では金利据え置きと金利引き上げのどちらの見方もあった。
このような状況下で、中央銀行は利上げを決定し、今までのインフレ抑制姿勢を貫いた。
ただし、中央銀行は今回の声明文では次回の金利据え置きも示唆している。具体的には、中央銀行は12月以降にはインフレが沈静化すると考えており、現在のインフレ率が11月まで継続したとしても、短期的には経済成長に配慮して次回の会合(12月16日予定)で金利を引き上げる可能性は比較的低いとした。

経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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