インド4-6月期GDP:前年同期比+7.7%~内需は強く、インフレは止まらず

2011年09月01日

(高山 武士) 欧州経済

■見出し

・現状:利上げで成長がやや鈍化
・先行き:内需が強く、さらなる利上げが必要

■introduction

8月30日にインド中央統計機構(CSO)は2011年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質のGDP成長率(供給側)は前年同期比7.7%の増加で、前期に引き続き8.0%を割る水準で推移することとなった。
供給側を見ると、GDPで最大のシェアを占める小売・ホテル・運輸・通信の産業が前年同期比+12.8%と前期に引き続き好調だった。また、金融・保険・不動産・事業サービスも前年同期比+9.1%と堅調に成長した。一方で、製造業は前年同期比+7.2%となり、底固く推移したものの成長を牽引するほどではなかった。
支出側を見ると、投資が前年同期比+7.9%と盛り返している。ただし、金融危機前の水準と比較すると伸び率は穏やかといえる。個人消費も前年同期比+6.3%と穏やかな成長だった。
インドではインフレ率の高止まりが続いており、中央銀行がその対策として2010年3月以降11回、合計3.25%政策金利を引き上げているため、その弊害として成長がやや鈍化しているものと考えられる。

経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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