政府単独介入+日銀決定会合実施(8/4):タイミングは「サプライズ」、米国に一手先んじて

2011年08月04日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・単独介入+追加金融緩和 : タイミングは「サプライズ」、米国に一手先んじて
・今後のポイントは金曜日の米雇用統計に対する市場反応、来週末のFOMC、77円近辺での介入を市場がどう理解するか?

■introduction

政府は円売り単独介入に踏み切った(介入は東日本大震災後の3月18日~19日にG7が協調介入して以来。日本の単独介入は昨年9月以来)。
日銀も4~5日開催予定だった金融政策決定会合を前倒しし、4日中に追加の金融緩和を決定する方針だ。(本リポート執筆時8/4 11:00)。
市場では金曜日の日銀決定会合で追加緩和が実施され、介入も今度円高に突っ込んだ場合は実施との見方あったが、円ドルレートが比較的落ち着いている時間帯で、介入とかつ追加緩和を同日行なったことはサプライズだった。
この日程での実施となったのは、金曜日の米国雇用統計発表後、再びドル安・円高になるリスクが高いとの判断があったのだろう。介入、追加緩和の効果は残念ながら限定的なものにとどまる中で、日本の政策が米国サイドの問題の後手に回る前に、日本政府の「円高阻止」との強いメッセージを示さなければならないとの危機意識からだろう。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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