消費者物価(全国11年5月)~コアCPI上昇率は2ヵ月連続のプラス

2011年07月01日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPI上昇率は前月と変わらず
・物価上昇品目数が2ヶ月連続で増加
・コアCPI上昇率は夏場にかけてさらに高まる公算

■introduction

総務省が7月1日に公表した消費者物価指数によると、11年5月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.6%(4月:同0.6%)となり、上昇率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(QUICK集計:0.5%、当社予想も0.5%)を上回る結果であった。
総合前年比0.3%(4月:同0.3%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は前年比0.1%(4月:同▲0.1%)と2年7ヵ月ぶりにプラスに転じた。
コアCPIの内訳をみると、電気代(4月:前年比1.5%→5月:同1.9%)は上昇幅が若干拡大したが、ガス代(4月:前年比2.2%→5月:同2.1%)、ガソリン(4月:前年比13.2%→5月:同9.0%)、灯油(4月:前年比26.1%→5月:同20.0%)の上昇幅が縮小したため、エネルギー全体の上昇率は4月の前年比7.3%から同5.7%へと縮小した。
食料品(生鮮食品を除く)は前年比▲0.1%(4月:同▲0.1%)と22ヵ月連続で下落した。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が0.48%(4月は0.61%)、食料品(生鮮食品を除く)が▲0.02%(4月は▲0.02%)、たばこが0.28%、その他が▲0.14%(4月は▲0.26%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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